2015年12月17日木曜日

多摩川河口の自然を考えるシンポジウムにおいて・・・・



27川企臨国第341号
 平成27年12月15日



日本野鳥の会神奈川支部
副支部長 石井 隆 様



川崎市総合企画局臨海部国際戦略室長 
     鈴木 毅  


羽田空港周辺・京浜臨海部の連携強化に関する問い合わせについて(回答)


時下、ますますの御清祥のこととお喜び申し上げます。 また、平素から市政に御理解と御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。 10月31日に貴団体が主催した「多摩川河口の自然を考えるシンポジウム」において、参加者 から寄せられた本市講演内容に関する質問について、別紙のとおり回答いたします。

(基盤調整担当)
 電話 044-200-2704





シ ン ポ ジ ウ ム 参 加 者 か ら い た だ い た 質 問 へ の 回 答 に つ い て



【質問】
●トンネル案との比較はしたのか?検討したのであれば、その内容を知りたい。
●羽田空港周辺の多摩川両岸の連携強化、経済面からの必要性の説明はありましたが、そのための手段が架橋である。その他に有効な手段がないという事の説明をして下さい。
●複数案の検討をされるつもりが無いのでないか。この事についてどうお考えか、ご回答下さい。

【回答】
羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会において、連絡道路は、羽田空港を中心とした連携強化による相乗効果を発現し、世界的な成長戦略拠点の形成を支えるインフラであると位置付けられています。
検討にあたっては、一体的な拠点形成への効果、影響、土地利用への影響、既存道路への影響及び環境への影響などについて、上流、中央、下流のルートを比較し、羽田空港跡地地区と殿町地区の中央部に、両地区を結ぶ新たな橋梁(2車線)として、検討の深度化を図ることが確認されました。

【質問】
●羽田連絡道路を作ることのメリットとデメリットの比較検討結果を知りたい。

【回答】
連絡道路は、羽田空港を中心とした連携強化による相乗効果を発現し、世界的な成長戦略拠点の形成を支えるインフラとしての機能が期待されています。
また、配慮が必要なものとしては、多摩川の自然環境への影響等と認識しており、現在、調査等を行っているところです。

【質問】
●建設に当たり困難な条件が多々ある事はあきらかであり、この克服のためには、ゼロオプションという選択も考えられます。国道357号線多摩川トンネルが代替手段とならないかどうか回答下さい。

【回答】
国道357号線は、東京湾に面する千葉、東京、神奈川の各都市を結ぶ幹線道路として、都市整備の再編を図り、都市内交通を緩和するほか、空港や湾岸などのアクセス道路として物流の効率化を図る役割を担っています。
一方で、連絡道路は、羽田空港を中心とした連携強化による相乗効果を発現し、世界的な成長戦略拠点の形成を支えるインフラとしての機能が期待されていることから、両道路の役割や機能は異なるものです。


(上記回答は関係者確認済)

2015年12月12日土曜日

【要望】羽田連絡道路の環境調査結果に関して

2015年12月10日

川崎市長様

日本野鳥の会神奈川支部
                                                        支部長 鈴木茂也

(仮称)羽田連絡道路の環境調査結果に関して(要望)


 前略。日頃からの自然保護行政の推進に関して感謝いたします。
  さて、(仮称)羽田連絡道路に関して環境調査に関しては、アセスメントと同様な調査を実施していると聞いています。川崎市の税金を投入した調査なので、市民への公表と合意形成の機会が必要と考えます。以下の要望をします。

1.アセスメントと同様の公告縦覧、意見書提出の機会を設けて下さい。
2.アセスメントと同様の準備書・方法書・見解書・公聴会を行って下さい。
3.その意見を元に、東京都、大田区、国、関係団体、学識経験者、住民を含めた協議機関の場を設けて下さい。

                                      以上


2015年12月10日木曜日

特定外来生物 カナダガン根絶 


 我が国においては、昭和60年(1985年)に初めて静岡県富士宮市で2羽が確認され、その後、富士五湖周辺に定着しました。そして、25年後の平成22年(2010年)には、関東地方で約100羽に達しました。そのため、平成22年(2010年)より、カナダガン調査グループ(※)が主体となって、地元関係者等と協力しながら防除が進められてきました。防除手法は、成鳥の「捕獲」及び「擬卵交換」による増殖抑制を中心に行われました。 これらの防除活動により、平成26年(2014年)までに71羽、卵150個以上の防除が実施されました。

※カナダガン調査グループ:日本野鳥の会神奈川支部、神奈川県立生命の星・地球博物館、かながわ野生動物サポートネットワーク、地域自然財産研究所からの有志メンバーで構成

環境省の報道http://www.env.go.jp/press/101789.html


 カナダガンは北米原産の大型のガンで、繁殖率が高い。関東地方を中心に各地に定着。鑑賞目的で輸入された個体が野生化したことが始まりとみられる。在来のガンとの交雑や稲の食害が懸念され、14年に特定外来生物に指定された。

◆関連記事 
  外来種カナダガン

2015年11月25日水曜日

新刊「日本鳥類鳴き声大辞典」


     支部会員 石井直樹 編著・出版




A4 判並製本370 頁
(CD-ROM 付き) \4,000 +税

 支部会員には、\3,200(送料・税込み)で提供。
日本の鳥を扱った内外の野鳥図鑑から、鳴き声の文字表記(カナ、および英字)とその特徴・発声環境に関するデータを収集し、鳥種ごとに、いろいろの鳴き声(囀りと地鳴き)を列挙するとともに、同じ文字表記の鳴き声を発する種を辞書風に並べた。これらのデータはExcel 形式のファイルとしてCD-ROM に入れてある(音声そのものは入っていない)。
本書はAmazon とHobby’ s World で扱っており、神奈川支部事務室でも閲覧できます。
お問合せは、著者(sgb01741@nifty.com)まで。
 
(石井直樹)

次世代に残したい神奈川の自然

 第9回 丹沢山地


支部顧問  畑 俊一

 丹沢山地は神奈川県北西部に位置し、東西約40k m、南北約20 km、全県土のほぼ6分の1に及ぶ広大な山地である。山域の北側は山梨県道志村に接し、西は山中湖村および静岡県小山町を介して富士山の東山麓と結ばれている。山域は表丹沢、東丹沢、西丹沢および北丹沢に区分けされ、神奈川県側の大部分は丹沢大山国定公園(その中央部は特別保護区)と県立丹沢大山自然公園に指定されている。

●丹沢の魅力をどのように伝えようか? 標高1000 mを越える頂は主峰の蛭ケ岳(1673 m)を頭に50 座を数え、派生する大小の尾根が無数の急峻な流れを形作っている。ツキノワグマ(約50 頭前)をはじめ10 数種類以上の大型野生動物が生息し、鳥類(37 科158 種)も年間を通して全山域を利用している。中小型の哺乳類、爬虫類、両生類、淡水魚類、および昆類など他の動物相も豊かである。 植物相は種子植物およびシダ植物を主に1550 種が記録されており、この多様な生きものたちの重要な生息地となっている(1997 年)。

 本県では初めてのセグロカッコウも檜洞丸への夜間登山の際に記録されている(2006 年)。
● 1950 年代初めの西丹沢の姿を少しだけ振り返ってみよう。檜洞丸(1601 m)の頂はブナの巨木が優先するうっそうとした森であった。モロクボ沢の頭から甲相国境尾根を西へたどれば深いスズタケの薮。イノシシがドッドッーとすさまじい地響きを残し、唸り声をあげながら疾駆していた。菰釣山(1348 m)は見ほれるようなブナの美林。南面の沢は酒匂川の最源流であり、当時ヤマメを手掴みにできた。

●今これらのブナ林とスズタケの薮はない。ブナの枯死は1980 年頃から始まり、現在、丹沢のほぼ全域に及んでいる。丹沢山地は夏季に南西風が卓越する。ブナの枯死はこの風を受ける尾根の西~南斜面において顕著であり、大気汚染物質がその主な原因であると考えられている。

●他方、シカの個体数が1980 年代後半から全山域で増加し、その採食圧によりスズタケ他の林床植生が各所で衰退・消滅をした。こうした山地斜面では降水による表層土壌の浸食がすすみ、生態系への影響のみならず、防災林や水源林の機能の低下を招いている。
 丹沢では他に観光目的の道路やロープウェイの開設計画もあったが、多くの市民から反対の声が起こり、県の英断で中止された。

●丹沢山地の森林機能の再生は、県民の強い願望であり、行政の緊急課題である。これを踏まえて丹沢の自然再生を図る施策が県を中心に策定され、逐次実施されつつある。この成果が目に見えるようになるかは未だ予断を許さないが、なお期待をつないでおきたい。
 丹沢はこのような現況にはあるが、大都市圏に近接しながら今なお豊かな自然環境に恵まれる貴重な山域である。次世代に残したい個々の事案は枚挙にいとまがないが、その一部を記す。

・ツキノワグマ個体群が利用する広大な連続性のある夏緑広葉樹(落葉広葉林)林・クマタカの家族が共に弧を描いて飛翔する丹沢主脈(東丹沢および北丹沢)の生態系
・檜洞丸周辺の生態系(夜間登山中のコノハズクの声、夏鳥たちの暁のコーラス、冬季山頂に飛来するオオマシコの群れなど)
・クロジが繁殖している大室山の生態系
・全国で行者ケ岳周辺(表丹沢)の岩場にだけ産する特産種サガミジョウロウホトトギス
・世附川上流域、中川川上流の西丹沢源流域、玄倉川中流域および早戸川上流域の生態系

●丹沢山地がもつ本来の価値は、これら個々の要素が互いにつなぎ合って構成する、一つの大きな生態系であると言えよう。
 この希少な丹沢の価値を少しも損なうことなく、次の担い手へまた手渡していこうよ。

●参考文献『丹沢大山自然環境総合調査報告書(1997)』

2015年11月9日月曜日

多摩川河口保全について連携団体総会で発表 

 11月8日。副支部長の石井隆が、日本野鳥の会連携団体総会で、多摩川河口保全と行動観察を中心にした探鳥会を発表しました。




つるまの森の件についての大和市長回答

 
          平成27年11月 2日

日本野鳥の会神奈川支部
  支部長 鈴木 茂也 様


                    大和市長  大木 哲

    当市行政の運営につきましては、日頃からご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
 先にお受けいたしましたご質問につきまして、次のとおり回答いたします。


①「つるまの森」に隣接する農地を重要な緑地として認識して保全を目標とする。

【回答】
 中央林間自然の森(つるま自然の森)につきましては、中央林間駅から近く、都市部に残された貴重な自然資源であることから、緑豊かな中央林間地区のシンボルとして、周辺に点在する公園等と併せた保全を図るという方針を定めております。また、中央林間自然の森に隣接する農地につきましては、「大和市緑の基本計画」の目標指標の一つである「みず・みどり率」に含まれており、保全を基本方針とした重要な緑地であると認識しております。


②当該地域を市街化調整区域として存続させ、緑地保全の強化を図る。

【回答】
 内山地区につきましては、これまで全域を市街化調整区域に編入するため、特定保留区域として位置づけておりましたが、平成28年12月頃に予定している「第7回線引き見直し」において、中央林間自然の森を市街化調整区域として緑を保全し、それ以外の区域を一般保留地域として位置づける予定でございます。
 一般保留区域に位置づけられた場合、地権者の合意形成が図られたエリアは、段階的に市街化区域に編入することが可能となることから、緑地の保全のあり方や農地の生産緑地地区の指定について、地権者の方と話し合いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。


③土地所有者の税制面等での優遇と協働を諮る。

【回答】
 今後も都市緑地の永続的な保全や農地の保全策の検討を進めるなかで、税制上の優遇や協働により、保全緑地での活動の促進に努めてまいります。



      事務担当:みどり公園課   電話 260-5451
    事務担当:街づくり推進課   電話 260-5446
  「陳情・要望」受付担当:広報広聴課   電話 260-5124

2015年11月5日木曜日

柴田敏隆さんを語る会 報告

9 月12 日 かながわ労働プラザにて

 会場には約170 名の人たちが集い、思い出の映像を背景に、故人と交遊の深かった方々が次々に思い出を語られました。野鳥の会のみならず、「三浦半島の自然を守る会」の設立、「横須賀市立博物館」創設時の活躍など多方面にわたる業績を偲びました。柴田先生は生まれ育った三浦半島をこよなく愛し、多くの青少年と共に山野を歩かれました。採集を伴わない自然観察会を基にした今日の自然保護活動の礎を築かれました。この日、先生の足跡をたどりつつ、自らの若かりし頃に思いをいたす参加者も多かったのではないでしょうか。


ご遺族の方々から日常のご様子についてお話がありました。晩年まで読書を欠かさず、ご多忙の中、観察会の前日には深夜のコンビニで資料をコピーされていたそうです。最後に奥様から「見よ、兄弟たちが席を同じくしている、何という喜び」という聖書の言葉と共に、参加者一人ずつの手をとられ、お別れとなりました。    
(編集部 久保廣晃)

2015年11月4日水曜日

多摩川河口保全の署名提出!



 10月31日。約3,100名の署名を川崎市に提出しました。
日本野鳥の会東京と日本野鳥の会神奈川支部の共同で署名を行いました。
ご協力頂いた方々、大変ありがとうございます。
今後も署名や要望に関して川崎市や国などと協議したいと思います。

2015年10月25日日曜日

神奈川県自然保護協会 設立50周年記念イベント

2016年2月11日(木・祝)~15日(月)
■さがみ自然フォーラム〈パネル展示・講演会など〉

企画展
①野生の生きものとどう付きあうか
②神奈川の生物多様性ホットスポット
③県内自然保護団体

<パネル展示>参加無料
●会場:アミューあつぎ 5Fギャラリー
厚木市中町 2 丁目12-15(小田急小田原線 本厚木駅東口から徒歩5分)
●時間:9時~18時



主催: 特定非営利活動法人神奈川県自然保護協会     理事長 藤崎英輔
連絡先・事務局 〒 243-0816 神奈川県厚木市林 5 - 15 - 10 青砥航次

2015年10月24日土曜日

次世代に残したい神奈川の自然

第8回 沼代の棚田
                                     小田原市  頼 ウメ子

 小田原市の東の外れに40 軒程の小さな集落があります。そしてその足元には緩やかなカーブを描きながら棚田が広がります。ここがサシバプロジェクトチームの舞台です。今も交通の便が悪く時代の波から取り残されたような印象を受けますが、古老によれば500 年以上も前に小田原攻めでやって来た武田軍の残党が住み着いたと言いますし、年貢は小田原藩ではなく江戸のとある藩に納めたと言い、なんとも歴史のある集落のようです。
 山間の狭い土地ながら米、ミカン、玉ねぎ等、四季折々の作物を栽培し豊かな暮らしぶりが垣間見えます。ただここでも若者は外に出るか会社勤めで、棚田の働き手は皆高齢者です。そのため次第に棚田は荒れて行き、それにつれ10 年程前からサシバの繁殖は無くなりました。
 調査を進めるにつれ、想像以上に豊かな自然が残っている事が分かりました。特に水生動物は驚くばかりで、専門家は「沼代の奇跡」とその豊かさを表現しました。これまで神奈川レッドデーター生物の絶滅危惧種や準絶滅危惧種等要注意種以上に該当する水生動物が12種も見つかりこれはまさに奇跡です。サシバはこれらの生物に支えられていたのですね。それでも昔に比べれば大いに数は減ったと村人は嘆きます。層をなした岩肌から滴り落ちる水は清冽ながらも養分が多く、サシバプロジェクトチームが作る米は味が良く、クリスマスプレゼントをしている施設にも好評です。
 小田原市の補助金は、草刈りの機械化とそれに続く米作りへと大きく歩を進めてくれましたが、忘れてはならないのは地元の若者の農業集団が作られた事です。都会暮しから戻った青年を中心に輪は広がり、次々と荒れ地を水田へ変えて行きました。美しい棚田を復活したいと願う若者の思いは我々をも大いに刺激しました。
 サシバへの理解を深めようと折に触れ流した回覧板が彼らの背中をそっと押した事を後で知りました。何も無いように見えた棚田にこれ程の貴重な生き物が棲みついていた事を初めて知ったのだそうです。
 足を踏み入れて今年で6年。小田原市にありながら訪れる事がなかった沼代です。サシバの営巣が途絶えた事、そして渡りの中継地・矢倉岳を通過するサシバが減少した事がこの地へと我々を誘いましたが、見知らぬ土地に踏み込む難しさを実感した日々でもありました。鳥の保護とはいえ荒れ地の草を刈らせて欲しいとのいきなりのお願いは、地元には理解を越えていたのでしょう。とは言え棚田の現状を見れば最後のチャンスとの思いもあったのかもしれません。自治会の会議にかけ地主から申し出があれば認めるという返事でした。幸い、地元の若者が名乗りを上げ、活動は動き出しましたが、開発したい時には直ぐにでも出て行って欲しいとの事で、船出は中々厳しいものでした。

何事も時間が解決してくれますね。真冬でも真夏でも黙々と汗を流す懸命な姿に心が動いたのでしょう。遠巻きに眺めていた村人が草刈りを申し込んで来るようになり、放置田は次第に消えて行きました。しかし従事者の高齢化はいかんともし難く、整備するそばから新たな放置田が増えて行くジレンマを味わいました。
 そうした中、最近何年も荒れたままだった竹藪や果樹園を地主自らが切り開く動きを見せています。思いがけない事でした。草や竹が払われた跡に現れた棚田にサシバの舞う日もそう遠くはないと胸が熱くなりました。

丹沢ブナ党シンポジウム

- 熊踊る森を目指して - クマから丹沢を考える 

●11月22日( 日) 13:00~16:30
●場  所:横浜市従会館 横浜市西区宮崎町25 電話045-241-5866
●記念講演: 金井塚 務 
    「ツキノワグマとの共生を目指して」広島フィールドミュージアム会長

●パネリスト: 金井塚 務 
       (広島フィールドミュージアム会長)
      坂口 裕佳 
       (神奈川県自然環境保全センター・ワイルドライフレンジャー)
      田村 淳  
       (神奈川県自然環境保全センター・主任研究員)
      岡林 良一 
       (元津久井町町史自然部会動物調査員)

●司  会: 梶谷 敏夫 (丹沢ブナ党代表)
●主  催: 丹沢ブナ党 〒223-0051 横浜市港北区蓑輪町3-3-8 
                ℡ 045-563-3953
 

神奈川支部 会員フォーラム2015 


 12月5日、大和市泉の森「しらかしの家」にて、県央ふれあい探鳥会の
主催で開催。約80名の参加者がありました。
 

「しらかしの家」


鈴木支部長の挨拶
林庭幹事の切り絵作品
2階のふれあい探鳥会の展示
*写真はクリックすると拡大できます


●日  時:12月5日(土)13 時開場 13 時30 分開会 16 時30 分閉会

●会  場:大和市泉の森「しらかしの家」多目的ルーム
       (相鉄線相模大塚駅北口より徒歩15 分)

●会員発表:秦野での鷹の渡りの観察(臼井英夫さん)
      探鳥自転車旅(大橋雅敏さん)
      野外で生き物を描いてみよう(藤井真由美さん)ほか。

プログラムとしては役員紹介・活動報告・意見交換なども、またカレンダーや鳥類目録などの頒布も行います。会員の皆様のお越しをお待ちしております。



第14 回 BINOS 研究発表会報告


 11月3日 バイノス研究発表会が開催されました。
約70名の参加がありました。楽しい発表や充実の研究内容で議論も
充実していました。是非身近な野鳥を調べてみましょう。




●2015 年11 月3 日(祝)13:30 ~ 16:30 (開場 13:00)
●場 所:かながわ県民センター 301 会議室
●アクセス:横浜駅西口・きた西口より徒歩5分

●発表題目
1 石川県輪島市で保護されたアオバトの体重の推移と換羽との関係
  ……………………………………(こまたん:斎藤 常實・金子 典芳)
2 大磯町照ヶ崎海岸で保護されたアオバトの産卵
……………………………………(こまたん:金子 典芳)
3 横浜自然観察の森での21 年にわたる鳥類相多様性の変化
…………………………………… (藤田 剛)


4 横浜市のカラス類の集団ねぐら調査2014 ~ 2015
……………………………………………… (石井 隆)
5 横浜市港南区久良岐公園のカラス類ねぐら1 年間の記録
……………………………………… (石井 隆)
6 大磯丘陵での一年を通じた夜明け時間帯の鳥類定点聞き取り調査
…………………………(大坂 英樹)
7 県立津久井湖城山公園で見つかったミツユビカモメ
……………………………………………(清水 海渡)

2015年10月11日日曜日

神奈川県自然保護協会 設立50周年記念

「はじめよう! かながわの自然を未来へ」

シンポジウム  かながわの生物多様性ホットスポット

1 目的
 人が人らしく成長し、健全な生活をし、社会を築く上で自然環境が豊かであることは重要である。にもかかわらず神奈川県においても多くの自然は既に失われ、現在でも、その衰退の傾向は止まったとは言いがたい。
 県内の自然をこれ以上損なわないために、保全すべき自然をリストアップし、今後の自然保護運動の指標となるよう、神奈川県自然保護協会ではこの度「かながわの生物多様性ホットスポット(仮称)」を選定した。
 このホットスポットの意義と重要性を広く社会に訴えるためにこのシンポジウムを開催する。

2 主催 NPO法人神奈川県自然保護協会

3 後援(依頼予定)
神奈川県 神奈川県教育委員会
(公財)日本自然保護協会 (公財)かながわトラストみどり財団

4 会場
フジサワ名店ビル6階 イベントホール
      (藤沢市南藤沢 2-1-1 藤沢駅南口から徒歩1分)



5 日時 2015年11月14日(土) 13時00分(開場12時45分)~17時00分)

6 次第
13:00 挨拶 藤崎英輔理事長
13:05 基調報告;ホットスポット選定の経過と意義  村上雄秀(IGES国際生態学センター) 
13:20  植物について 勝山輝男氏(神奈川県立生命の星・地球博物館)
13:50 昆虫について 高桑正敏氏(元神奈川県立生命の星・地球博物館)
14:20 鳥類について 石井 隆氏(日本野鳥の会神奈川支部)
14:50  陸域魚類について 勝呂尚之氏(神奈川県水産技術センター内水面試験場)
15:20  海域魚類について 林 公義氏(元横須賀市自然・人文博物館)
15:50 三浦半島の自然と神奈川県の両生類・爬虫類
天白牧夫氏(NPO法人三浦半島生物多様性保全)

 休憩(16:20-16:30)
16:30 総合討論(会場との自由討論)
16:55 今後の取り組み 青砥航次副理事長
17:00 終了

2015年10月5日月曜日

神奈川県自然保護協会 設立50周年記念イベント

三カ所で開催 パネル展示/活動報告/記念講演/コンサート/交流会etc.

2015年10月12日(月・祝)~13日(火)新都市プラザ
                 〈パネル展示など〉
●時間: 11時~18時
●会場:新都市プラザ(横浜駅東口地下 イベント広場 そごう百貨店入口前)
●参加無料

<パネル展示>

〈プロローグ〉かながわの自然と神奈川県自然保護協会の活動50年の歩み
高度経済成長期以降の神奈川の自然の変遷を概観し、50年の自然保護活動と支えた人を写真と解説で

1 命つなぐ神奈川の自然〈特色と課題〉
航空写真で見る神奈川の過去と今、部分:丹沢・箱根・三浦・相模川・多摩丘陵ほか
山・里地里山・川・街・海をつなぐ自然・命の循環を写真と解説で

2 命かがやく神奈川の自然〈守りたい自然・神奈川のホットスポット〉
代表的なホットスポットの写真と解説・地図で身近にある自然の意味と大切さを

3 自然を守る人たち〈活動団体の紹介〉
県内の自然保護活動団体の中から、地域・活動テーマなどを勘案して 10 数団体を写真と解説で

〈エピローグ〉かながわの自然の未来
(イラスト:藤沢西高校美術部の皆さん 丹沢・箱根・相模湾・街の緑ほかの夢を描く)

〈市民からのメッセージ〉神奈川の自然への一人ひとりの思いを付箋にし、壁面展示

コンサート>「酒井悦子 自然をうたう」

 ●12日のみ 午後1時と3時の2回

 ソプラノ歌手 酒井悦子さんによる自然にかかわる歌 
(酒井悦子さん:オペラなどの演奏活動の傍ら、福祉施設訪問、コンサートや後進の指導などにも力
を注いでいる方です。音楽夢工房オフェリア・メンバー、ぐるーぷなーべ会員。二期会会員。日伊協
会会員。

●コンサート曲目(予定)  (25分)

♫ oveer the rainbow

♫ 日本の四季 メドレー
どこかで春が  どじょっこふなっこ  春の小川  茶摘み  夏は来ぬ  われは海の子 里の
秋  もみじ  虫の声  冬景色  雪  雪の降る街を  

♫ 花の名前がついている歌
のばら(シューベルト)  エーデルワイス(ミュージカル)  忘れな草(カンツォーネ)

♫ 見上げてごらん夜の星を(会場の皆さんと一緒に)

空を見上げて虹から始まり、自然豊かな日本の四季を聞いてもらい、花の名前のついている歌、最後
に空に戻るとの構成です。


2015年10月17日(土)
 神奈川労働プラザ〈記念講演・活動報告会・パネル展示、懇親・交流会〉
はじめよう! かながわの自然を未来へ 
~つくろう! 山・里・川・海と街をむすぶ「ひとネット」~

<パネル展示>参加無料

●会場:神奈川労働プラザ(3階ロビー)
(〒231-0026 横浜市中区寿町1-4 JR 石川町駅北口から徒歩3分)
●時間:11時~17時
●展示内容:新都市ホールに展示したパネル展示+それ以外の自然保護活動団体の活動内容

<記念講演&自然保護活動団体報告>参加無料
●会場:神奈川労働プラザ(3 階多目的ホール)
●時間:13時~17時
●記念講演:新堀豊彦(前神奈川県自然保護協会理事長) 13時~14時30分
●自然保護活動団体報告:15時~17時 (6 ~ 8 団体)

<懇親・交流会>
●会場:神奈川労働プラザ(9 階 レストラン)
●時間:17時~18時30分 会費:1人3000円




2016年2月11日(木・祝)~15日(月) 
さがみ自然フォーラム〈パネル展示・講演会など〉


企画展
①野生の生きものとどう付きあうか
②神奈川の生物多様性ホットスポット
③県内自然保護団体

<パネル展示>参加無料
●会場:アミューあつぎ 5Fギャラリー
厚木市中町 2 丁目12-15(小田急小田原線 本厚木駅東口から徒歩5分)
●時間:9時~18時


主催: 特定非営利活動法人神奈川県自然保護協会     理事長 藤崎英輔
連絡先・事務局 〒 243-0816 神奈川県厚木市林 5 - 15 - 10 青砥航次

2015年9月29日火曜日

次世代に残したい神奈川の自然(7)

湘南タゲリ米のふるさと(近況報告2015 )

支部幹事 三翠会湘南タゲリ米プロジェクトリーダー樋口公平



  おかげ様で湘南タゲリ米は15 年目となりました。2014 年冬のタゲリの一斉調査では、茅ヶ崎, 寒川,藤沢で3 羽、平塚、伊勢原で19 羽と多くありません。越冬地となる水田は圏央道の完成などで減少が続いております。それでもタゲリ米購入地の茅ヶ崎の西久保地区では、水田の減少が止まりました。自然再生の取り組みとして、魚類の水田への産卵遡上を助ける魚道や、乾燥期に退避できるビオトープや水路内堰などが少しずつ増やせ、ナマズの稚魚などがたくさん泳ぎ、サギ類が採食に来る姿がみられています。
タゲリと同じチドリ科では、コチドリが水田で繁殖し、渡りの時期にはムナグロが立ち寄ってくれました。








ムナグロ♀ 
茅ヶ崎市西久保
(タゲリ米の水田)




●タゲリ米近況
 湘南タゲリ米は地域の水田のお米を高く買い上げ、皆様に購入していただき、農家が稲作を継続する仕組みで、「三翠会」(さんすいかい)が取り組んでいます。茅ヶ崎市の協力農家は稲作農家のほとんど(25 軒)になり、毎年約2 トンの買上げが継続出来ています。今年は茅ヶ崎市の「ふるさと納税」のお礼品に選ばれました。また学校給食にも検討が始まっています。これらは継続的に購入いただけている皆様の力が大きく影響しています。新商品として、もち米品種「喜寿糯」(きじゅもち)の販売を検討しています。今年のタゲリ米にはおまけサンプルをつけますので、感想をお聞かせください。








お神輿の上の鳳凰がくわえているのはタゲリ米の稲



●伝統文化の継承へ
 水田は伝統文化の源ともなっています。茅ヶ崎では夏に神輿を担いで海に入る濱降祭(はまおりさい)が有名です。実は海岸にある神社のお神輿の上には鳳凰(ほうおう)が乗っていて、その鳳凰の嘴にはタゲリ米の青い稲がくわえられています。その稲は四方を紙垂(しで)で囲み、若い稲をそのために刈り取ります。浜の集落と内陸の集落が稲を通して古来から交流していたことがわかります。稲作が継続するということは、生物の保全だけでなく、伝統文化の継承にも繋がります。

●自然再生への取り組み
 水田魚道(ナマズ、ドジョウ、フナなどの魚類が水路と水田を往来できるような仕組み)の設置など自然再生の仕組みは農水省のモデル事業にもなっていますので、見学のご依頼が増えてきました。自然保護団体や、早稲田大学の環境塾などの方たちをご案内しています。ご要望がありましたら連絡ください。
 三翠会のFacebook ページでは、近況を頻繁に更新しています。ぜひご覧ください。
 都市近郊の貴重な水田を未来に残すため、皆様の継続的なご支援を今後とも宜しくお願いします。

タゲリ米の販売広告は裏表紙をご参照ください

☆湘南タゲリ米 平成27年産新米販 売のお知らせ☆


毎年のご支援ありがとうございます。今年も農家が丹精込めた新米を発売します。水田環境の継続のためご支援お願いします。

【品種】キヌヒカリ 適度な粘りとつやが特徴です。
【黒米セット販売】ポリフェノールが多く、白米に混ぜるとお赤飯の色になります。黒米(200g)が、精米5キロにセットとなります。
※送料込み(全国一律)振込手数料御負担下さい。
※表は配達先同一の場合。※玄米も同一価格。玄米と明記下さい。
お得な新商品:30kg 米袋入り玄米 15000 円(送料別 問合せ)


【お求めは】郵便局備付の振込用紙に以下ご記入下さい。
●振替口座 00210-7-114390 
●加入者名 三翠会 
●御依頼人の欄 郵便番号 住所、氏名、電話番号 
●通信欄 送り先が御依頼人欄と違う場合、その連絡先タゲリ米情報など発送の為、御依頼人のメールアドレスも。
●購入の方に農家との交流&探鳥会を計画中

【お振込み期限】10 月末日までにお振込み下さい
【お届け】宅配便にて11 月中旬頃発送の予定です
【お問合せ】E メール:info☆sannsuikai.eco.to 代 表 鈴木 國臣 090-9145-4166
*E メール送信の際は☆を@に変更して下さい。

2015年8月29日土曜日

次世代に残したい神奈川の自然(6)

 相模川


相模原市 秋山幸也



●神奈川県の大動脈
 全長109km、流域面積1680平方kmにおよそ120万人が生活する一級河川。それが相模川です。富士五湖の一つである山中湖を源流とし、桂川という名称で深い渓谷を刻みながら山梨県を東西に流れたのち、神奈川県内に入るとその名は相模川へと変わります。相模ダムによってせき止められた相模湖、城山ダムによってせき止められた津久井湖を経て、流れを大きく南北方向へカーブすると、川幅が急に広くなって沖積平野を流れ下る大河川の様相となります。
 県央部に入ると流れは真北から真南へと方向が整えられ、最大の支流である中津川を合流してそのまま神奈川県の中央を流下、相模湾へと注ぎます。首都圏の水瓶としてはもちろん、その存在感は「神奈川県の大動脈」と表現するにふさわしいものと言えるでしょう。ここではそんな相模川の環境の特色について、中流部にスポットを当てて見ていきましょう。

●砂漠と森が隣り合わせの環境
 川幅が広くなった中流部はさまざまな植生がモザイク状に広がり、さながら「植物群落の見本市」のようです。降水量が豊富な温帯では、植生は時間とともに構成種が置き換わり、変化していきます。これを植生遷移と呼びます。植生遷移は裸地をスタートとすると、一般的に草本から中低木林、高木林と、しだいに背の高い植物群落へと置き換わっていきます。
河原の植生がモザイク状なのは、降水などによって流れの水位が変動し、流路の変化や高水によって水に洗い流される場所、しばらく流されていない場所がまだらに配置されるために起こる現象です。
このような入り組んだ複雑な植生は多様な生物の生息場として機能します。言わば、川の中に湖や砂漠、草原、森が並立しているようなものです。こうした環境を最も効率的に利用する生物が、鳥類であると言えます。鳥類の多くはさまざまな環境を採食場、営巣場、休息場として使い分け、しかも季節によって異なる環境を利用することがあります。
たとえば猛禽類のオオタカは、河岸段丘の斜面林や、丘陵地の針葉樹林などに好んで営巣します。一方で採食は、開けた農地や草原のような環境を好みます。相模川中流域の河原はどちらの要素も隣接して存在するので、オオタカにとって良好な生息環境となります。さらに冬季は草原に加えて開水面、休息場となるまばらな樹林など、猛禽類の好む要素が広がっています。オオタカだけでなくハイタカやノスリ、チョウゲンボウなどが高い密度で生息します。

●丸石河原
 このように、相模川の中流域はさまざまな環境が入り組む複雑さにその特色があります。しかし、その中でも河原特有の環境をあげるとすれば、丸石河原です。丸石とは、上流から運ばれるうちに人の頭程度の大きさに削られ角が取れて丸くなった石です。中流部の、高水による流失と減水による堆積を繰り返した河原は、こうした丸石が瓦状に堆積し、まばらに草本が生えた状態となります。植生がより高密度の群落に遷移していく前に、再び高水に洗い流されて振り出しに戻り、丸石河原が出現します。これを退行遷移と呼びます。
 このような丸石河原こそ相模川中流部を代表する環境と言えるのですが、それを裏付ける生物がいくつかいます。鳥類ではコアジサシやイカルチドリがその代表格です。また、植物ではカワラノギクやカワラニガナ、カワラハハコがあげられます。特にカワラノギクは地球上で多摩川の中流、荒川水系中流部の支流にあたる鬼怒川とこの相模川水系にしか現存しない植物です。

 カワラノギク

 しかし、相模川はこの1世紀ほどの間に治水、利水が発達して流量がコントロールされ、上流からの土砂の供給量が少なくなりました。加えて河川敷グラウンドなどの土地利用も進み、丸石河原の面積が減少してこうした生きものは軒並み絶滅危惧種となっています。

 神奈川の大動脈である相模川は、時代とともにその環境も大きく変遷しています。最も身近であるだけに、社会の変化と無縁でいられない大自然、それが相模川と言えるでしょう。

2015年8月4日火曜日

「多摩川河口の自然を考えるシンポジウム 2015」

     
 
 10月31日、約160名の参加者がありました。講師・パネリストや参加者の皆さんで、いろいろな角度で議論出来ました。この議論を生かして、今後も多摩川河口について考えたいと思います。ご支援とご協力を今後もお願いします。




主催:日本野鳥の会神奈川支部
   日本野鳥の会東京
共催:(公財)日本野鳥の会
後援:(公財)世界自然保護基金  ジャパン
   (公財)日本自然保護協会


●会場:ラゾーナ川崎5階「プラザソル」(JR川崎駅歩5分)
(川崎市幸区堀川町72-1ラゾーナ川崎  電話044-874-8501)
●日時 :2015年10月31日(土)
開場:13:00
開演:13:30~18;30(予定)
●入場無料・先着200名



           


●講演内容 
  ・持続可能性アセスメントと合意形成     原科幸彦 (千葉商科大学)
  ・多摩川河口干潟のシギ・チドリ類    守屋年史(バードリサーチ)
  ・水面からみた東京湾と羽田空港の浜辺  
                  長谷川 充弘(大森青べかカヌークラブ)
  ・世界のウェットランドの現状と問題   
                  前川聡(世界自然保護基金ジャパン)
  ・羽田空港周辺・京浜臨海部の連携強化  
          奥澤豊(川崎市総合企画局臨海部国際戦略室担当部長)
                    ((仮称)羽田連絡道路の整備)
    ・ 川と海の繋がりを考える社会システム  清野聡子(九州大学)
    
●パネルデスカション(予定)
鈴木茂也(日本野鳥の会神奈川支部)・葉山政治(日本野鳥の会)・志村智子(日本自然保護協会)井口利枝子(とくしま自然観察の会)・原科幸彦・守屋年史・長谷川 充弘・前川聡・清野聡子


第26期プロナトゥーラファンド助成金で開催します。

2015年7月30日木曜日

全国鳥類繁殖分布調査に参加しませんか?

全国繁殖分布調査に神奈川支部は協力します。
以下の調査員が登録されていません。
繁殖期に1回の現地調査ですので是非ご協力お願いします。
以下のHPで登録をして下さい。
http://www.bird-atlas.jp/index.html

宮ヶ瀬湖周辺
真鶴半島
札掛
城ヶ島
檜洞丸




【 概 要 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.◆参加型調査◆ 全国鳥類繁殖分布調査
           調査地の登録がはじまります
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2016年から5年がかりで実施する全国鳥類繁殖分布調査ですが,来年の調査開始に向けて,調査地登録がはじまります.8月1日に登録サイトがオープンする予定で,サイト上で実際に調査するコースを地図で確認することができます.地図からご自身が調査できそうなコースを選んで,ぜひ調査にご参加ください.

■調査地登録の方法

1.まだ「繁殖分布調査」の参加登録がお済みでない方は,まず調査への参加登録をしてください.
https://db3.bird-research.jp/~birdatlas/volunteer.html

2.登録サイトのオープン(8月1日頃)後,事務局から調査地登録のためのWEBページのURLが送られてきます.

3.お知らせしたWEBページに掲載された地図から,調査コースの位置を知ることができます.その中から調査可能な調査コースを選び,調査地登録をしてください.

調査方法等詳細はこちらをご覧ください.
http://www.bird-atlas.jp/map.html

できるだけ多くの方に調査に参加していただきたいので,同じコースに複数の方から応募があった場合は調整して一緒に調査していただきたいと思います.ご協力よろしくお願いします.

【植田睦之】

2015年7月29日水曜日

記録映画『鳥の道を越えて』お礼上映とトークの集い

 秋になるとおびただしい数が渡ってきていた渡り鳥と、その渡り鳥を生活の糧とするため、 人々の暮らしの中で行われていた鳥猟を取り上げて、2014 年に公開された記録映画「鳥の道を 越えて」は、文化庁映画賞文化記録映画優秀賞、グリーンイメージ国際環境映像祭グリーンイ メージ賞、キネマ旬報ベストテン文化映画部門第1位、科学技術映像祭内閣総理大臣賞などの 賞を受賞しました。
  この映画で取り上げられているカスミ網猟は現在禁止されていますが、カスミ網猟の鳥屋 場(とやば)の中には、渡り鳥の移動や生態を解明するために山階鳥類研究所で行っている調 査の調査地として引き続き活用されている場所があります。そのような中のひとつ、福井県越 前町の調査地で調査を行っている山階鳥類研究所の佐藤文男研究員がこの映画の監修を担当し ました。 そのような背景から、今回、今井友樹監督のご好意で、山階鳥研の地元我孫子市でのお礼 上映が実現する運びとなりました。さらに今回は、監修の佐藤研究員と今井監督によるトーク で、鳥類の生態や環境問題、伝統文化について考えてみたいと思います。 多くの皆様のご参加をお待ちしています。

 ●映画タイトル:「鳥の道を越えて」


 (監督:今井友樹、監修:佐藤文男、製作:工房ギャレット、93 分)

● トーク:今井友樹(映画監督)・佐藤文男(山階鳥類研究所研究員)

●日時:2015(平成 27)年 9 月 26 日(土) 午後 13 時 30 分〜16 時 00 分 (開場 13 時 00 分)

●場所:我孫子市手賀沼親水広場・水の館 3 階研修室(定員:75 名)
 千葉県我孫子市高野山新田 193

●会場までの交通:JR 常磐線 我孫子駅南口から市役所経由の我孫子市役所下車徒歩 5 分。


●参加費:無料(事前の申込みは要りません・先着順)

●主催・問い合わせ:我孫子市鳥の博物館(電話 04-7185-2212)
 (公財)山階鳥類研究所(広報担当 平岡考 電話 04-7182-1101  e-mail: koho★yamashna.or.jp)
*e-mailは ★を@に変更して送信して下さい。

2015年7月26日日曜日

次世代に残したい神奈川の自然(5)


寒川町のサギ類のコロニー


新倉 三佐雄



 表紙の写真中央部にある樹林が、サギ類のコロニーに利用されている屋敷林です。今回は、次世代に残したかったが、そのままの形では残すことができなかった自然についてです。

<環境>
 寒川町のサギ類のコロニーは、神奈川県のほぼ中央部を北から南に向かって流れる相模川の下流域の平野部にあり、支流にあたる目久尻川の旧流路沿いに形成されます。
 形成される場所は、屋敷林の北側の一部で、面積は、年によって拡大、縮小するため異なりますが、1994年当時は0.4haでした。
 サギ類が集団で繁殖するためには、周辺に雛たちを養うのに十分なエサを確保できる広い水辺環境が必要になります。寒川町のこのコロニー周辺には、相模川や目久尻川流域の水辺環境があります。

<いつから>
 この屋敷林にコロニーが形成されるようになった時期については、地元の方からの聞き取りでは、1980~1981年頃とのことでした。それ以前は、高座郡寒川町宮山の寒川神社の社寺林にコロニーがあり、そこから当地へ移ってきたとのことでした。その後およそ35年間にわたり維持されてきたことになります。

<経緯>
 1980年ごろから平穏にサギたちが繁殖してきたこのコロニーですが、2002年にコロニーに影響する形で道路計画があることがわかりました。2002年から2003年にかけて寒川町により懇談会が開催され、支部としても参加し意見を述べました。その結果、懇談会として「道路の地下化等構造による対応」や「コロニー部分の公有地化」などの意見もまとめられました。
 その後も継続して、意見の具体化等の検討する場を設けるよう町に要望して来ましたが、具体的な動きもなく、2012年になり、突然コロニーの直近を通る形での道路計画案が町より示されました。
2012年以降の動きにつきましては、支部報で既に報告されている部分もありますが、支部として、寒川町長あてのコロニー保全の要望書、町都市計画審議会への道路計画案反対の意見書の提出を行いました。
 再度の懇談会も2012年~2013年に開催されましたが、主たるメンバーの学識経験者の方の「高速道路のインターチェンジにコロニーを誘致したこともある」という意見などもあり、結局、幅25mの4車線の道路が、コロニーの直近を通る形で都市計画決定がなされました(写真の樹林を東西(左右)方向に横断する形になります)。

<県内のコロニーの状況>
 支部報で呼びかけ、記録・情報をいただきました県内のコロニーの様子ですが、これまで分かった範囲では、複数種によるコロニーは、小田原市と寒川町のこのコロニーのみの状況になっています。特にコサギとアマサギの繁殖が確認されたのは、寒川町のこのコロニーだけでした。

<将来に向けて>
 コロニーの範囲について、町の委託を受けた調査会社が2014年に行った古巣の分布状況の調査結果では、1994年当時に比べてコロニーの範囲が大幅に縮小されているのが分かりました。
 コロニーのあるところは、現在民有地であり、周辺は新幹線新駅に関連して、環境共生都市の名のもとに開発が計画されつつあるところです。このままではコロニーの将来がたいへん危惧されるところです。いつまでも、繁殖期にコサギやアマサギを県内で見られるよう、貴重なサギ類のコロニーのある環境を残したいものです。

2015年7月18日土曜日

講演と音楽「世界の自然と自然、人と人をつなぐ渡り鳥」


 9月に講演と音楽のつどい「世界の自然と自然、人と人をつなぐ渡り鳥」が
開かれることになりました。
この催しでは、鳥の渡りをテーマに、天の川を渡る鳥の夢の世界から、南北朝鮮の離散家族をつないだ鳥の実話、衛星を利用した最新の研究から明らかになったことがらまで、多様な話題が登場します。また、それぞれの話題の合い間には、かかわりのある美しい調べの音楽が挿入されます。
参加された方は、壮大な鳥の渡りへの理解を深めつつ、感動に満ちた時をすごすことになるに違いありません。

催しの概要は、下記の通りです。
詳細は添付のチラシや企画書に記述してあります。
友人やお知り合いの方々お誘いのうえ、ご参加いただければ幸いです。
なお、ご参加には申し込みが必要です。ご注意ください。

●日時: 2015年9月13日(日) 午後12時30分開場、
      1時00分開始、5時00分終了

●会場:東京大学弥生講堂一条ホール(300席)
     http://www.a.u-tokyo.ac.jp/yayoi/


●演題と音楽
★此岸と彼岸をつなぐ渡り鳥
 ―宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の世界―
 杉浦嘉雄(日本文理大学教授)
  歌:「星めぐりの歌」(作詞作曲・宮沢賢治) 
   山口由里子(ソプラノ)、鍋嶋 芳(ヴァイオリン)、
   富樫亜紀(チェロ)
   
★北と南の離散家族をつないだ渡り鳥
 ―アリランの青い鳥、シベリアムクドリをめぐる物語―
 遠藤公男(児童文学者)
  歌:「アリラン」(朝鮮半島民謡)
   山口由里子(ソプラノ)、鍋嶋 芳(ヴァイオリン)、
   富樫亜紀(チェロ)

★世界の自然と自然、人と人をつなぐ渡り鳥
 ―渡り鳥の衛星追跡研究の成果から―
 樋口広芳(東京大学名誉教授、慶應義塾大学特任教授)
  渡り鳥のスライドと音楽(バッハ:G線上のアリア、弦楽演奏)
   鍋島 芳(ヴァイオリン)、富樫亜紀(チェロ)

●参加費: 1,000円(当日、受付にて支払い)。

●申し込み:参加希望者は名前(複数可)と連絡先を電子メール、
 電話またはファックスで以下に連絡。先着300名まで。
      電子メールwataridori.office@gmail.com
      電話090-4711-9892、FAX:046-267-4591

●以下のサイトから,チラシが見られます。
https://drive.google.com/file/d/0B5t2N6HkmTasV3FERkNHR0ZwOUU/view



平成27年度神奈川県野生動物リハビリテーター(2級)の募集


平成27年度神奈川県野生動物リハビリテーター(2級)募集要項

 WRV神奈川支部は、傷ついた野生動物を救護し、野生復帰させる活動を行いながら、自然のしくみを理解し、野生動物の声を代弁する役割の担い手を養成するために、野生動物リハビリテーター制度を創設しました。
平成17年度から実施してしますが、今年度も、まず基礎的な共通知識を持って
いただくために、2級野生動物リハビリテーターを募集します。

後援予定:神奈川県、(公社)神奈川県獣医師会、(公社)横浜獣医師会、(公社)川崎市獣医師会

1.募集期間:平成27年7月17日(金)~8月17日(月)(必着)

2.応募対象者:
①神奈川県在住で、18歳以上の方(平成28年4月1日までに満18歳)
②野生動物の保護に関心があり、下記の講習会及び実践活動に全日程受講可能な方

3.募集人員:20人(応募多数の場合は抽選)

4.リハビリテーター(2級)の活動内容:
①傷ついた野生動物の収容、一時看護、救護施設への搬送を行います
②自宅等で看護から野生復帰までの一連の救護活動を行います(指定野鳥種のみ)
③救護施設において、救護動物の世話や野生復帰訓練などを行います
④救護原因の究明やその対策など、生息地の保全に資する活動を行います
⑤情報交換やレベルアップを図る活動を行います

5.応募方法: リハビリテーター養成講座申込書にご記入の上、郵送にて提出
してください

申込書は、HPよりダウンロードするか、e-mailでタイトルに「リハビリテーター養成講座申込書希望」、通信欄に郵便番号、住所、氏名を明記の上、ご請求ください

6.認定までの流れ:
①講習会(2日間:簡単な試験を含む)受講料10,000円+テキスト資料代3,000円
日時:平成27年9月26・27日(土・日)両日10:00~16:30
会場:かながわ県民活動サポートセンター コラボスタジオ(かながわ県民セン
ター11階)
②実践活動(実習)(3日間)全日10:00~16:00
日時:実習候補日(1日目:10月4,10,11,12日)、(2日目:11月7,8,14,15日)、(3日目:12月5,6,12,13日)
事前の希望調書をもとに参加人数を調整のうえ、講習会初日に実習日を通知する
会場:野生動物ボランティアセンター
③認定申請(認定を希望する場合) 認定料2,000円
2級リハビリテーター認定申請書及び小論文を提出(期限:平成27年12月31日)
ただし、認定にあたっては別に定める6つの要件をすべて満たすこと
④認定(平成28年2月予定)

7.留意事項:
①活動に伴う経費(餌代や搬送時の交通費等)は、自己負担となります
②2年に1度の更新手続きが必要となります 更新料2,000円

 ●応募・問合せ先
特定非営利活動法人野生動物救護獣医師協会神奈川支部(WRV神奈川支部)
〒211-0042川崎市中原区下新城2-1-28野生動物ボランティアセンター内
TEL:044-777-8243 FAX:044-777-8368
e-mail:kanagawaアットマークwrvj.org  http://www.wrv-kanagawa.jp/

見つけて、夏のジョウビタキ!

 日本では本来冬にしか見られないジョウビタキですが、ここ数年にわたる調査の結果、渡らずに、長野県と山梨県にまたがる八ヶ岳周辺で、継続的に繁殖していることが判明し、今後繁殖地域の拡大が予想されます。見つかった巣はすべてリゾート地や別荘地の建物などの人工物に造られていました。
 この夏も元気なヒナが巣立っています。ヒナの体は斑模様ですが、尾は短くて
もオレンジ色で、翼の白い斑も見えます。皆さんの周囲にも「ジッ、ジッ」と鳴
いて餌をねだっているヒナの姿が見られるかもしれません。家の周辺で餌をくわ
えた親鳥を見かけるかもしれません。高い樹の天辺などで囀る雄の声が聞かれる
かもしれません。
 今後、八ヶ岳周辺以外にも繁殖地が拡大する可能性があります。皆さまと一緒
に変化を追跡したいと考えております。



 夏のジョウビタキを見かけたら、ぜひ当会の「見つけて渡り鳥」への投稿をお願い致します。

可愛いジョウビタキの雛の写真は、日本野鳥の会諏訪のHPで見ることが出来ます。
http://homepage2.nifty.com/wbsuwa/redstart.html

(日本野鳥の会諏訪 林正敏・山路公紀)

全国都市緑化フェアに対して要望書を提出

2015年7月17日

日本野鳥の会神奈川支部
支部長 鈴木茂也


横浜市長 林 文子様

        全国都市緑化フェアの里山ガーデンの計画変更について(要望)


   拝啓 日頃から市内の生物多様性を守り育てる施策を推進されていることについて、感謝しております。
  さて、貴市は2017年3月~6月に、「全国都市緑化フェア」を開催されると聞き及んでおります。貴市が先進的に行ってこられた緑の取組の成果をアピールし、横浜ならではの「美しい花と緑豊かなまち横浜」を発信されるとの趣旨には、小会としても異論はありません。しかし、先日公表された「第33回全国都市緑化よこはまフェア基本計画」を拝見したところ、郊外部会場(里山ガーデン)の会場計画には、以下のように少なからず問題があると考えます。
「郊外部会場/里山ガーデン」とされた横浜動物の森公園の植物公園予定地は、同計画にも書かれている通り、横浜らしい豊かな里山が残る場所で、横浜市で激減してしまった谷戸の生態系が残っている場所です。
しかし具体的な会場整備の計画を見ると、こうした現在の生態系の重要性とは裏腹に、谷戸を埋め立て、園芸種を植える花畑の花壇を創出するイメージが掲げられています。こうした造成は、里山・谷戸の生態系を不可逆的に破壊するもので、基本計画に掲げられた「横浜の森を楽しむ」「横浜の里山の魅力、楽しみ方」「生物多様性の主流化を発信」といったテーマ、サブテーマの実現を不可能にする計画であり、生物多様性保全を目指す横浜市の方針とも大きく異なります。
また、園芸種として植栽され、そのまま山野に広がってしまった外来種も多く見受けられます。このような植物の中には地域の在来種に大きな打撃を与えているものもあります。さらに緑化に使用される植物については在来種の利用を促進させるべきであるとも考えています。
 小会は、こうした問題のある里山ガーデンの会場計画案に反対します。里山ガーデンでは、既存の自然を生かした形での、里山保全再生を目指した計画変更を求めます。

(参考)
 里山ガーデン予定地では、神奈川県レッドデータブック2006で絶滅危惧Ⅱ類であるキンラン、要注意種のアズマヒキガエル、シュレーゲルアオガエル、クツワムシ等の絶滅危惧種が確認されており、未調査な生物についての情報集積が待たれる場所です。鳥類についても、渡り鳥などの生息地として重要な場所です。

2015年7月1日水曜日

次世代に残したい神奈川の自然(4)

酒匂川

(西湘グループ 頼 ウメ子)


 富士山を源とし神奈川県西部を流れる酒匂 川は周辺の田畑を潤し、県内の上水道や工業 用水として利用されながら、足柄平野を流れ る全長46kmの二級河川です。静岡県では鮎 沢川、県内に入ると酒匂川と呼ばれます。この 名の由来は様々ありますが、私のお気に入りは 大 ヤマトタケルノミコト 和武尊が東征に際してお神酒を注いで龍神 に祈念したところ、その匂いがしばらく消えな かったためというものです。お酒が苦手な方は これだけでもふらふらしそうなお話ですね。
 急峻な地形ということもあり、時折恐ろしい 顔を見せ、その都度大量の土砂を運びます。 特に江戸時代の宝永年間の大噴火では大量の 噴火物・スコリア(黒っぽい火山噴出物)が流 れ込み、下流域では多大な被害がありました。 このスコリアは決して過去の遺物ではなく今も 酒匂川を苦しめています。
 鳥類に関しては昔の記録が少なく、詳細は分 かりませんが、江戸時代、将軍にツルの卵を献 上したとの記録がありますから、それから類推し てもかなり自然の豊かな場所だったのでしょう。
  これまでに私達が酒匂川で記録している鳥類 は外来種も加え230種ほどです。比較的水質 も自然環境も良好ですし、周辺には後背湿地(平 野の川の近くにある湿地帯)としての水田が広 がっていますので鳥の種類も多いのでしょう。  
 30年程前からは野鳥の会を中心に詳細な調 査を行っていますので、鳥類目録はかなり充実 しています。その中からお話してみましょう。
  まず越冬のために飛来するカモ類です。1980 年代から急激な増加傾向を見せ、1996年に 2200羽を記録しました。これは1970年代の 飯 泉取水堰の完成に主な原因があると言われ ています。初冬になれば当たり前のようにみら れる酒匂川の風景も決して遠い昔のことではな いのに驚きます。
  ここ20年でダイサギやアオサギ等の大型の 水鳥が増えたことも特徴的なことです。漁協等 の1990年代後半からのアユを含めた放流事業が盛んとなり、増加はその時期と重なります。
 カワアイサが1990年頃から越冬するように なり、次第に河口から上流にまで生息域を広げ、 一時は60羽を超えました。流域の住民も美し い鳥の出現に大きな関心を寄せました。ただ気 がかりは、このような大型水鳥の増加の陰でコ サギが減少していることです。
 酒匂川と言えばコアジサシでしょう。1995 年に市の鳥となり、飛来数の減少に歯止めを かけようと、20年間、営巣地の整備が野鳥の 会と小田原市が中心となり行われました。大雨 や三保ダムの放流によるコロニーの冠水を防 ぐため、かさ上げした人工台地を造る活動で す。参加者は300名を超える事もありました。 しかし人工台地での営巣の確率が低いことや、 コアジサシの営巣地をカラスやチョウゲンボウ が襲う被害が増えた事により、残念ながら飛来 数の増加にはつながりませんでした。昨年から は繁殖後の徹底的な天敵対策を実施する方法 に切り替え、保護活動が続けられています。
 これほど豊かに見えた河川もここ数年一変 しました。ゲリラ豪雨の頻発により土砂が流入 し、毎年その排出が行われるからです。その都 度中州の草木やアシが取り除かれ、河原に生 き物の気配がありません。あれ程飛来したカ モも昨年は700羽を切り、酒匂川を彩って来 た夏鳥の囀りも今はほんの僅かに聞かれるだけ です。地球規模の天候の変化の前に、河川の 管理は人的被害を食い止める洪水対策に重き が置かれるようになりました。しかし営々と命 を繋いできた生き物の存在も忘れてはなりませ ん。人と生き物が共に暮らせる河川環境が蘇ることを切に願っています。

2015年6月27日土曜日

鳥ってすごい!    ― 多様な鳥のくらし ―

藤沢探鳥クラブ2015年8月例会 講演会
(どなたでもご参加いただけます)


  講 師: 東京大学名誉教授、慶應義塾大学特任教授  樋 口 広 芳 氏   

 鳥のくらしは、調べれば調べるほど、知れば知 るほど、すごい!それぞれの鳥が、自然の中でより よく生きるために体のつくりを変え、独特の行動 や生態を発達させている。  
 それらの多くは、私たちの想像をはるかに超える ありようを見せてくれる。この講演では、カラス類 による車を利用したクルミ割り行動から、200日も 飛び続けるアマツバメ類の 飛行、東アジアのすべ ての国を周遊するタカ類の渡り、ヒマラヤの7,000m を越えていくツル類やガン類の渡り、鳥たちの見る おどろくべき色世界などについて紹介する。

日 時: 8月16日(日) 午前10:00~12:00( 開場9:45)

会 場:藤沢市民会館 小ホール
     (藤沢市鵠沼東8-1・ TEL 0466-23-2415)
会 費:資料代等 200円

 問い合わせ先:藤沢探鳥クラブ  藤山 TEL0466-25-1817



2015年6月21日日曜日

【報告】サシバの復活を目指して!

(西湘グループの活動)

  小田原のサシバの復活を目指して、田植えを行いました。環境保全は地道な取り組みで成り立ちます。 しかし数年間で休耕田が減少して、田が増加したので驚きです。サシバの復活を目指します。
 


2015年6月17日水曜日

副支部長の石井隆が(公財)日本野鳥の会の評議員に就任しました。

 (公財)日本野鳥の会の評議員に就任しました。4年間の任期で長いですので、日本の自然保護活動 において色々な面で推進出来ればと考えています。皆様方からの叱咤を受け活動出来ればと思います。 今後もよろしくお願い申し上げます。

 石井隆

2015年6月4日木曜日

メンフクロウが逃げています


 先日、役員、リーダーの皆さんには既に連絡しましたが、横須賀市にお住まいの方から飼育していたメンフクロウが逃げてしまったという連絡を受けました。
 野鳥ではありませんので、くれぐれも混乱の無いようお願い致します。

 また、どこかで見かけた場合は、御連絡して頂くようお願いいたします。大変心配されています。


大河原様 kiyomi-0216pアットマークsoftbank.ne.jp

 アットマークは@に変更して送信して下さい。




 

2015年6月1日月曜日

棚田で田植え

サシバの復活を目指して

●日時:6月13日(土)9:30~12:00
●場所:小田原市沼代地区の棚田
●持ち物:田植えができる服装(長靴は不要)
●駐車場:沼代桜馬場(王子神社近く)
*雨天中止

*地元の食材を使った昼食を用意します。

*問い合わせ:頼ウメ子 rai.odawara@a011.broada.jp

次世代に残したい神奈川の自然(3)

大磯町 照ケ崎海岸 のアオバト                             

 (こまたん 金子 典芳)


アオバトは森に棲む緑色の美しいハトで、海水を飲む変わった行動でも知られています。夏の間、海水を求めて繁殖地である丹沢山地から遠く離れた照ヶ崎海岸に飛来します。
 照ヶ崎海岸はアオバトの集団飛来地として1996 年に神奈川県の天然記念物に指定されました。飛来規模は国内最大級ですが、磯遊びでにぎわう場所でもあり、人とアオバトが
共存しています。

<飛来の様子>
 4 月末から5 月初旬に飛来し始め徐々にその数を増し、6 月から9 月にかけて多く飛来します。朝10 時までに延べ数千羽を数え、数百羽の大きな群れが岩場を覆い尽すこともありま
す。森では人の気配ですぐに飛び去る神経質な面を知る人は、人前に集団で現れ海水を飲み、その一部始終をじっくり観察できることに驚きます。10 月中頃から徐々に減り11 月の初旬頃にその年の終認となります。

<命がけの海水吸飲と理由>
 台風接近で海が荒れた日にも海水を求め岩場に降りて波にのまれて命を落としたり、ハヤブサが現れて捕まるものもいます。なぜ命がけで海水を飲むのか?この謎に長く挑戦してきた結果、色々な事がわかってきました。

1.夏の食べ物は果実(液果)に特化
 岩場でアオバトが落とした糞の内容物(種子を調べ、サクラ・ミズキ・ヤマブドウなどナトリウムをほとんど含まない液果を食べることを確認しました。その中に丹沢の標高1000m 以上の場所に分布するミヤマザクラの種子があったことから、丹沢から来ていることも判りました。

2.子育てはピジョンミルク
 他のハトと同様に体内から分泌するピジョンミルクを雛に与えます。その元となる水分と栄養の吸収に欠かせないナトリウムを海水に求めていると考えています。丹沢で子育ての様子を観察し、親鳥の分担などもわかりました。

3.お泊りするアオバト
 照ヶ崎への飛来はまだ薄暗い日の出頃から始まります。30km も離れた丹沢を暗いうちから出発したのではなく、海岸近くの森で前泊していました。巣を守る♂♀の交代や途中の採食などと組合せた変わった行動です。繁殖地、海水吸飲地、採食地、そしてお泊りをする海岸付近の森など、多くの環境を利用しています。

<アオバトの環>
 海岸と丹沢の途中の森で液果を食べ、ピジョンミルクに変えて雛に与えます。一方、液果の種子を糞と一緒に種子散布して丹沢から海に続くグリーンベルト造りの役割もはたしています。グリーンベルトに生息する猛禽類には自らが餌となり、その食べ残しは森の小動物に、最後は土となり森を支えます。川は森の栄養を運び、途中の緑を潤わせ、再び海岸でアオバトが口にします。この自然のつながりをアオバトの環と呼んでいます。
 また、各地のアオバト情報を共有し、渡り行動なども含めた広い視点でアオバトのふしぎに関る人のつながり、これもアオバトの環です。

<日本各地のアオバトの環>
 夏は日本各地に広く分布し、海が遠い内陸部では温泉水や家畜のし尿などからナトリウムを得ています。冬は多くが西日本に移動し、森でドングリを主食に静かに暮らしています。京都御苑での越冬について関西のこまたんメンバーが調査・報告し、都市公園も大切な越冬地であることを明らかにしました。
 深い森で子育てし、緑の中で液果を食べ、海岸で海水を飲む。公園でドングリを食べる。
人の環も含めたアオバトの環は、日本の多様な自然の大切さを教えてくれています。

<いつまでも>
 照ヶ崎の防波堤に立ち、改めてアオバトを見ながら、彼らが日本の多様な自然の中で生きていることに想いを馳せてみてください。いつまでも照ヶ崎にアオバトが飛来することを願う気持ちを次世代に伝えていきたいと思います。